前回の続きです。
前回はレインウェアの撥水性の復活方法と、有名どころの撥水剤を説明しました。
まだの方は一読していただけると、今回の話がスムーズになります。
さて、今回は実践編です。
実際にグランジャーズ ウエア撥水剤 パフォーマンスリペルを施工した方法をご覧ください。
商品に書いてある方法通りに施工
商品裏面に施工方法が書いてありますので引用します。
※シミになることがありますので、目立たない箇所でお試しの上ご使用ください。
- まずグランジャーズ パフォーマンス ウォッシュ(別売)を使い、ウェアの汚れを落としてください。(必ずウェアの洗濯表示に従って行ってください。)
- 濡れた状態のウェアを、平らにして置きます。
- 本品をよく振り、15センチほど離した位置から濡れた状態のウェア全体に均一に吹きかけてください。(床や壁に新聞紙を敷くか、屋外や浴室で作業してください。)
- 2、3分置いた後に、過度にスプレーした部分があれば湿ったきれいな布で拭き取ってください。
-
ウェアの洗濯表示に従って、自然乾燥または衣類乾燥機を使い乾燥させてください。
▶︎詳しい使用方法は、ホームページでもご覧頂けます。
とのことでした。
ほぼ記載通りに施工しましたが、一部違う部分がありますので、その部分を書きます。
まず1.の項目ですが、購入時にすでに洗濯済みであったようなので、洋服ブラシでホコリを払う程度しか行っていません。
前の記事でも書いた通り、コンディション的に洗濯機のような負荷は掛けたくありませんでした。
霧吹きを使用してウェア全体を水で湿らせてからグランジャーズをスプレーしました。
4.の項目は10分ほど放置した後、ティッシュで吸い取るように余分な薬剤の除去を行いました。
全体にスプレーすると、ウェア表面に吸収されなかった分の薬剤がシワの部分に溜まっていたので、その部分だけ吸い取った形です。
最後に浴室に付いている乾燥機能で3時間ほど乾かして終了です。
結果は…
驚きの親水性!
全く撥水していません!
購入時と同等か、それ以下!
正直がっかりしました。
霧吹き式の撥水剤のいいところは手軽であること、お出かけ前にさっと一拭きで撥水が復活すると思っていたのに(独断と偏見)、この結果は残念でした。
きっと何か原因があると思い、試行錯誤した結果、見事撥水性を取り戻すことができました。
疑惑①ティッシュがいけなかった?
まずは自己流でやった部分に問題があったのではないかと考え、ティッシュを疑いました。
というのは、乾いたウェアの表面に白いツブツブが残っていたからです。
最初はティッシュの繊維かと思いましたが、よく見ると石鹸カスのようなものでした。
もちろん施工前はこんなものありませんでした。
一度水で流して、今度は水に強いペーパータオルで行いましたが結果は変わらず。
疑惑②ウェアの材質が撥水に向いていない?
撥水剤は何にでも使える訳ではなく、もともと撥水素材でないと乗りづらい特性があります。
ゴアテックスなど、レインウェアは割とツルツルした素材が多いですが、このパーカーは織ってあるような肌触りで、どことなくコットン感のある素材です。水の染み込み方もコットンっぽい感じがあります。
念のため品質表示のタグを確認しましたが、ナイロン100%とあります。
また、内部の構造を見ると、Gore-Texなどの表記はありませんが、何かしらの透湿防水素材の3層構造のハードシェルを思わせる作りになっています。
透湿素材は一番外側にある層が撥水してくれないと透湿性を発揮できなくなるため蒸れてしまいます。
米軍に使用されているものですので、そういった基本的な部分を押さえずに作られているとは思えません。
撥水剤が使えるかどうかの結論には至りませんが、もともと撥水性のあるものだったと考えるのが自然だと思われます。
疑惑③そもそもグランジャーズの説明が不十分?
「詳しいやり方はホームページからも見れます」という文言が気になっていました。
早速ホームページを見てみると…
むしろ商品背面の方が丁寧に説明してありました。笑
ですが、ヒントはありました。
洗濯機に直接投入する方式の撥水剤、クロージングリペルの説明部です。
撥水剤の成分を飛ばすため、ウェアの洗濯表示に従ってアイロンや乾燥機で乾かしてください(要約)
とあります。
もしかして、ウェアに付着していたのは撥水剤の成分とやら?
背面の説明文では自然乾燥でも効果があるような書き方でしたが、熱処理をしてみると結果が変わっってくるのかも知れないと思いました。
アイロンで熱処理してみた
早速試してみました。
これでうまく行かなければ、晴れの日用の防風パーカーとして使っていきます。
Gore-Texのサイトにあった注意文を参考にアイロンがけしていきます。
アイロンの温度は低温、当て布をして過度にウェアに熱が入らないようにする(要約)
ウェアにアイロンを当てると、もう乾燥しているはずなのに、モワッと蒸気のような熱気を感じました。
もちろん、目に蒸気のような煙も見えません。
これが撥水剤の成分が蒸発しているということなのでしょうか?
読み通り、石鹸カスのようなものはアイロンがけ後には消えていました。
あまりアイロンをかけすぎないように、時折ウェアを手で触りながら行いました。
結果
ショートサイズのパーカーですが、意外と大変でした。
一通りアイロンがけして、霧吹きを吹いてみました。
見事撥水性が復活しました!
おそらく処理が甘い部分もありますが、それは雨の日に確かめるしかありません。
まとめ
では、改めてグランジャーズの使い方をまとめます。
- ウェアの洗濯表示に従い、表面の汚れを落とす。
- 濡れた状態のウェアを、平らにして置く。
- 本品をよく振り、15センチほど離した位置から濡れた状態のウェア全体に均一に吹きかける。
- 数分置いた後に、溜まった薬剤を拭き取る。
-
乾燥機、もしくは自然乾燥する。
- 撥水性がない、もしくは石鹸カスがある場合は当て布をして低温でアイロンがけ
これでグランジャーズで撥水加工できなかった人も大丈夫だと思います。
私が過度に薬剤をスプレーしているのかも知れませんが、公式の説明が不十分なようにも感じました。
以前他のウェアでも試してみたのですが、やはり吹きかけるだけでは撥水しませんでした。
手持ちの他の古いウェアでもやってみますが、熱処理を行うのが確実のように思います。
熱処理をしてもダメなら、素材がいけないということになるのでしょうが。
参考になれば幸いです。
興味がある方は購入してみてください。
そして施工結果をコメントいただけると嬉しいです。
最後までありがとうございました。